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健診・ドック(健康管理センター)

検査項目説明

健康診断について

健康診断の結果は、血液検査や画像で判定するするX線検査、波形で判断する心電図検査などがあります。
血液検査などには「基準値」があり、これを基に正常・異常を判定します。
これは健康な人の90%以上がその基準値の範囲に収まるものですが、特に心配のない場合でも「基準値」をはみ出すことがあります。逆に、異常があるのに基準範囲内の値を示すこともあります。
「基準値」はひとつの目安と考えてください。
健康診断を定期的に受け、毎年の健康の経過を観察していくことが重要です。
お手元に届いた健康診断の結果は、比較ができるように毎年保管しておくことをお勧めします。

身体計測

身長・体重を計測し、計算値でBMIを算出し、これにより肥満、痩せの判定をします。また腹囲、体脂肪率を測定し、内臓脂肪の蓄積具合を調べます。腹囲はメタボリック症候群の判定に用いられ、基準値を超えると内臓脂肪型肥満とされます。

BMI

BMI=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}

  • 25.0以上・・・・・・・肥満
  • 18.5以上 25.0未満・・普通
  • 18.5未満・・・・・・・やせ型

BMI=22がもっとも病気になりにくいといわれています。

腹囲 基準値を超えると内臓脂肪型肥満のリスクありと判定されます。
体脂肪率 体重に占める脂肪重量の割合のことです。

血圧測定

貧血検査(採血)

赤血球

血液に酸素・二酸化炭素を運び、pH調節などの生命維持に大切な働きをしています。
赤血球が少なくなると、貧血症状を起こします。


血色素(ヘモグロビン)

鉄を含むヘムとグロビン蛋白という二種類のたんぱく質が結び付いたものです。
赤血球に含まれ、酸素や二酸化炭素を運ぶ働きをしています。


ヘマトクリット

一定の血液中に占める血液の体積の割合を示しています。赤血球・血色素・ヘマトクリットの3項目は同時に測定され、貧血や多血症の分類と診断に使います。


MCV(平均赤血球容積)

赤血球一個の平均容積を示しています。赤血球の大小を判定できます。


MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)

赤血球一個に含まれる血色素(ヘモグロビン)の量を示しています。


MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)

一個の赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)の濃度を示しています。


血清鉄

血清中に含まれる鉄分を表します。鉄欠乏性貧血の診断に有用です。


血液像

一般に白血球といっているのは5種類の重要な白血球(好中球・リンパ球・単球・好酸球・好塩基球)を総省しています。それぞれ白血球は異なる機能を持ち、病気によって増減します。血液像(白血球分画)の検査はその増減を調べるものです。


白血球

体外から病原体などが侵入して炎症を起こすと、血液中に増加し、異物を攻撃する働きをします。
白血球数の増減を調べることで炎症の程度が推定できます。ストレスや過度の運動で一時的に増えることもあります。


血小板

血液中に含まれる細胞の一つで、出血時に固まり出血を止める働きをします。数が少なくなると出血しやすくなり、増えると血栓ができやすくなります。

肝機能検査

総蛋白

血液中の総蛋白の量を示しています。全身の栄養状態の指標になります。数値が低い場合は栄養障害、ネフローゼ症候群、悪性腫瘍など、高い場合は多発性骨髄腫、慢性炎症、脱水症が疑われます。


A/G比

血液中の蛋白であるアルブミンとグロブリンの比率を示します。アルブミンは肝臓だけで作られるので、肝機能に異常がある場合はA/G比が低下します


γーGTP

肝臓、膵臓、腎臓などに存在する酵素です。アルコールや薬剤による肝障害があると上昇します。また胆汁のうっ滞でも上昇します。


総ビリルビン

胆汁に含まれる色素のことです。胆汁を流す管が詰まったり、肝臓の病気などが原因で数値が高くなります。病気がなくても体質的に高い場合もあります。


AST(GOT)、ALT(GPT)

AST(GOT)
肝臓や心臓の筋肉、骨格筋などに存在する酵素です。これらの臓器や組織が障害されると血液中に大量に流れ数値が上昇します。
ALT(GPT)
肝臓の細胞に多く含まれる酵素です。肝障害の程度がわかります。飲酒や激しい運動、薬剤、ストレスなどでも上昇します。

LD

様々な細胞に含まれる酵素です。特に肝臓、心臓、腎臓、肺、骨格筋などに多く含まれます。各臓器の障害にて数値が上昇します。


Ch-E

肝臓で作られる酵素で、肝細胞の異常で値が減少しますので、肝臓の蛋白合成能のスクリーニング検査として測定します。


ALP

様々な細胞に含まれる酵素です。特に肝臓、胆管、骨、腎臓、小腸などに多く含まれます。各臓器の障害にて数値が上がります。


LAP

肝臓に含まれる酵素ですが、胆道から排泄されるため、肝臓や胆道に通過障害があると値が上昇します。


アルブミン

血液蛋白のうちで最も多く含まれるのがアルブミンで、肝臓で合成されます。肝臓障害、栄養不足、ネフローゼ症候群などで低下します。


HBs抗原(B型肝炎ウィルス)

B型肝炎に感染していないかを調べます。この項目が増えている場合は現在B型肝炎ウィルスが体内にいること示しています。


HCV抗体(C型肝炎ウィルス)

c型肝炎に現在観戦しているか、もしくは感染の既往がある場合に、この項目が増えます。異常がある場合はC型肝炎ウィルスが体内に現在存在するかをさらに調べる必要があります。

炎症・血清反応検査

CRP

感染症や組織の損傷、アレルギーや自己免疫疾患などで血液中に増加するたんぱく質です。


ASO

リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの原因となる溶血性連鎖球菌の感染を確認するための検査です。


RF

慢性リウマチの検査です。ウィルス性疾患や肝疾患でも陽性を示すため、他の血液検査や自覚症状などの臨床所見も含めて判断する必要があります。


TP抗体、RPR法

RPR法は梅毒に感染していないかを調べます。脂質抗原試験(STS法)の1つです。病原とは直接関係ない脂質を抗原としているため生物学的偽陽性を示すこともあります。梅毒以外の感染症や膠原病、妊婦などで陽性になることがあります。TP抗体はTPの菌体成分を赤血球に吸着させたものを抗原とし、血清中のTP抗体と抗原抗体反応を起こし、凝集ができたら陽性となることがあります。

血中脂質検査

総コレステロール(T-cho)

血液中のコレステロール値を調べる検査になります。コレステロール値が高いと脂質異常症・動脈硬化・脂肪肝・糖尿病といった危険因子(リスク)が高まります。コレステロール値が基準値以下の場合甲状腺機能亢進症や肝硬変などが疑われます。基準値以下の場合で、病気が疑われた場合、食生活(偏食、栄養不足など)の見直しが必要です。


中性脂肪(TG)

血液中の中性脂肪値を調べる検査になります。糖質、動物性脂肪などが主なエネルギーとして体内に貯蓄されます。中性脂肪値が高いと肥満・脂質異常症・動脈硬化・脂肪肝・糖尿病といった危険因子(リスク)が高まります。中性脂肪が基準値以下の場合、甲状腺機能亢進症や肝硬変などが疑われます。基準値以下の場合で、病気が容器が疑われた場合、食生活(偏食、栄養不足など)の見直しが必要です。


HDLコレステロール(HDL-C)

血液中の善玉コレステロール値を調べる検査になります。蓄積されたコレステロールを回収し、動脈硬化を予防します。善玉コレステロール値が低いと脂質異常症・動脈硬化・脂肪肝・糖尿病といった危険因子(リスク)が高まります。善玉コレステロールを低下させる原因(喫煙、肥満、暴飲暴食、運動不足)を取り除く事をお勧めいたします。HDLコレステロールが著しく高い場合、長期大量飲酒や原発性胆汁性肝硬変などが疑われます。


LDLコレステロール(LDL-C)

血液中の悪玉コレステロール値を調べる検査になります。余剰なコレステロールが血液内に蓄積し、動脈硬化などの要因になります。悪玉コレステロール値が高いと脂質異常症・動脈硬化・脂肪肝といった危険因子(リスク)が高まります。悪玉コレステロールが著しく低い場合、肝硬変や劇症肝炎や栄養障害が疑われます。


nonHDLコレステロール

LDL-C以外にも動脈硬化を促進するリポ蛋白があり、それを評価します。総コレステロールからHDLコレステロールを引いた数値で表します。

糖尿病検査

血糖

血液中のブドウ糖の濃度を血糖値と呼びます。エネルギー源として全身で利用され、各種ホルモンや自律神経の働きなどで一定の範囲にコントロールされています。食事の影響が強いため、空腹時に検査します。


HbA1c

過去1~2か月の血糖値のコントロール状況を示しています。空腹時血糖値が正常であっても、この数値が高い場合は糖尿病の精査が必要になります。腎疾患や肝臓疾患、薬物、貧血などで異常を示すことがあります。


尿糖定性

尿中の糖を見る検査です。一般的に血糖値が高い場合は尿中に糖が出てきます。しかし、血糖値が正常でも糖排泄閾値が低いために糖尿陽性となる場合があります。このような場合は腎性糖尿とよばれ、糖尿病とは異なります。

消化器系検査

上部消化管X線

胃・十二指腸の病気の有無を調べます。バリウムを用いて検査を行います。これも多くの疾患や異常所見が見つかりますが、人間ドック・生活習慣病健診が主として発見に努めているのは、胃がんです。胃がんの場合、両性の腫瘍やポリープと紛らわしいことがあり、必要に応じて、胃内視鏡検査をおすすめしています。


胃内視鏡(胃カメラ)

内視鏡を入れ、食道、胃、十二指腸を直接観察し、病変を見つける検査です。病変があった場合は、その一部を採取して病理検査を行う場合もあります。


ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)

ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)の検査法には、血液検査(抗ヘリコバクターピロリIgG抗体)、呼気テストなどがあります。
ピロリ菌は種々の胃疾患との関連が知られており、胃内視鏡検査で慢性胃炎が認められた場合は、除菌治療の保険診療が可能です。


ペプシノゲン

ペプシノゲン(PGⅠとⅡ)は胃粘膜で産生、分泌される消化酵素ペプシンの前駆体で、1%が血中に存在します。PGⅠは胃上部に胃底腺に、PGⅡは胃の出口に近い幽門腺および胃全体の腺細胞に存在し、PGⅠ/PGⅡ比から胃粘膜の萎縮を推定できます。
PGⅠ 70.1ng/ml以上かつPGⅠ/PGⅡ比3.1以上がPG判定陰性です。
PG判定が陽性になった場合は、胃内視鏡検査をお勧めします。

腎機能検査・尿検査

クレアチニン(Cre)

血液中のクレアチニン値を調べる検査になります。筋肉を動かす際に生じたエネルギーから分解・排出された一種です。クレアチニン値が高いと腎機能低下、心不全、末端肥大症が疑われます。クレアチニン値が基準値以下の場合、尿崩症、筋ジストロフィー症などが疑われます。


尿素窒素(BUN)

血液中の尿素窒素値を調べる検査になります。通常、腎臓を介し尿として排出されます。尿素窒素値が高いと腎機能障害、甲状腺機能亢進症などが疑われます。
尿素窒素値が基準値以下の場合、肝硬変、肝不全や尿崩症、低蛋白食などの可能性があります。


尿ウロビリノーゲン

尿中のウロビリノーゲンを調べる検査になります。ウロビリノーゲン陽性の場合、慢性肝炎、肝硬変・アルコール性肝障害などが疑われます。また陰性(-)の場合、閉塞性黄疸・肝内胆汁うっ滞の可能性があります。


尿蛋白

尿中の蛋白値を調べる検査になります。通常、肝臓を介して再吸収され体内に戻されます。尿蛋白が要請の場合、慢性肝炎や高血圧性腎硬化症などが疑われます。


尿潜血

尿中の尿潜血値を調べる検査になります。通常、腎臓を介して再吸収され体内に戻されます。尿潜血陽性の場合、尿路感染・尿路結石。尿路系癌の可能性が疑われます。


尿沈渣

尿中の赤血球・扁平上皮、尿路系の細胞を顕微鏡で調べる検査になります。赤血球・白血球・扁平上皮が増加の場合、慢性腎炎や尿路感染症が疑われます。


尿酸

細胞が分解された後にできる老廃物で、尿中に排泄されます。腎機能が低下したり、プリンタ意を多く含む食品を取り過ぎたりすると、血液中の濃度が高くなり、高尿酸血症と診断されます。この状態が続くと尿酸の結晶が足の親指や」関節にたまり、痛風発作を引き起こします。


eGFR(推算系球体ろ過量)

腎臓がどれくらい働いているかは、eGFRで表します。eGFRは、腎臓の中の糸球体が1分間にろ過している血液量のことで、「年齢」「性別」「クレアチニン値」から計算します。

胸部検査

検査胸部X線

肺や縦隔の異常を調べる検査です。より詳細な異常、早期の異常を知るためにはCT検査をお勧めします。


肺機能検査

肺の換気能力がどのくらいあるかを調べる検査で、呼吸器の働きを調べるための検査です。

肺活量
息をできるだけ大きく吸って、できるだけ吐き出した量のことです。
予測肺活量
性別、年齢、身長から予測される肺活量のことです。
%肺活量
実際の肺活量の予測肺活量に対する割合です。
1秒率
吐き出した息の総量に対する、1秒量(最初の1秒間に吐き出した量)の割合です。
%1秒量
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の病期分類の指標で、性別・身長・年齢から計算される予測1秒量に対する実測1秒量の割合です。

眼科検査

視力検査

裸眼もしくは使用中の眼鏡やコンタクトレンズで遠方視力を測定します。


眼圧検査

空気を眼球に吹き付けて、その反射から眼圧を測定します


眼底写真検査

眼底カメラを用いて、目の奥の網膜中心部を撮影します。緑内障の早期発見や、視力低下と関係する黄斑部の異常、脳の動脈硬化の診断などに有用な検査です。