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伊奈病院について

医療の質 評価指標

医療の質 評価指標(QI:クオリティ・インディケータ)

QI:(クオリティ・インディケータ)とは、医療の質を定量的に評価し、病院の様々な機能を適切なインディケータ(指標)を用いて表したものです。各分野で着目する指標を設定し、ある医療行為等を行なった対象を分母として、得られた「望ましい結果(望ましくない結果)」やそのプロセスの適切さの程度を「比率で表す」という特徴があり、より改善につなげるために検証していく指標となっています。

2週間以内退院サマリー完成率

退院サマリーとは、患者病歴や入院時の身体所見・検査所見、入院経過など、入院中に受けた医療内容のエッセンスを記録したものです。一定期間内に退院サマリーを作成することは、病院の医療の質を表しています。

2週間以内退院サマリー完成率のグラフ

2週間以内退院サマリー完成率のグラフ
算出方法

分子:退院後2週間以内にサマリーを記載した患者数
分母:退院患者数

入院患者の転倒・転落発生率および転倒転落による損傷発生率

高齢やお持ちの病気・ケガなどを原因として、予期せぬ転倒やベッドから落ちてしまうといった危険が高くなる方がいます。病棟や廊下などの療養環境整備、職員の医療安全研修、患者さまご本人やご家族への予防知識の提供などを通じ、転倒・転落の防止に努めていきます。

転倒・転落発生率(‰)のグラフ

転倒・転落発生率(‰)のグラフ
算出方法

分子:1カ月間の転倒・転落発生件数
分母:1カ月間の入院患者延数


転倒転落による損傷発生率(‰)のグラフ

転倒転落による損傷発生率(‰)のグラフ
算出方法

分子:1カ月間のレベル4以上の転倒・転落発生件数
分母:1カ月間の入院患者延数

褥瘡発生率

褥瘡(じょくそう)「とこずれ」とは、長い期間、寝たきりなどの状態で、圧迫された皮膚が循環障害を起こし、傷となってしまったものです。原因は、長期間の療養生活や、栄養状態、清潔管理、細菌の感染など様々です。そのため、患者さまの状態を把握し、予防対策を講じていく必要があります。

褥瘡発生率のグラフ

褥瘡発生率のグラフ
算出方法

分子:新規褥瘡発生数
分母:入院患者延べ数

糖尿病患者の血糖コントロール

HbA1cは、過去2~3か月間の血糖値のコントロール状態を示す指標です。各種大規模スタディの結果から糖尿病合併症、特に細血管合併症の頻度はHbA1cに比例しており、合併症を予防するためには、HbA1cを7.0%未満に維持することが推奨されています。

したがって、HbA1cが7.0%未満にコントロールされている患者の割合を調べることは、糖尿病診療の質を判断する指標の1つであるとされていました。

ただし、インスリンが必要でもインスリンを打てない高齢者、認知症があり食事したことを記憶できない患者、低血糖を感知できない糖尿病自律神経症を合併している患者、狭心症があり血糖を高めにコントロールした方が安全である患者など、各患者の条件に応じて目標値を変えることが真の糖尿病治療の“質”であると考えます。

糖尿病患者の血糖コントロールのグラフ

糖尿病患者の血糖コントロールのグラフ
算出方法

分子:HbA1cの最終値が7.0%未満(NGSP)の外来患者数
分母:薬物治療をしている外来患者数

特定術式における手術開始前 1時間以内の予防的抗菌薬投与率

手術後に、手術部位感染が発生すると、入院期間が延長し、入院医療費が有意に増大します。手術部位感染を予防する対策の1つとして、手術前後の抗菌薬投与があり、手術開始から終了後2~3時間まで、血中および組織中の抗菌薬濃度を適切に保つことで、手術部位感染を予防できる可能性が高くなります。

このため、手術執刀開始1時間以内に適切な抗菌薬を静脈注射することで、手術部位感染を予防し、入院期間の延長や医療費の増大を抑えることができると考えられます。

特定術式における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率のグラフ

特定術式における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率のグラフ
算出方法

分子:手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数
分母:特定術式の手術件数

血液製剤の廃棄率

血液製剤の有効活用のためには廃棄血を減少させることが重要である。血液製剤の廃棄率は、提供された血液が適切にしようされているかどうかを示すよい指標となります。

血液製剤の廃棄率のグラフ

血液製剤の廃棄率のグラフ
算出方法

分子:血液製剤(赤血球、新鮮凍結血漿、血小板)の廃棄単位数
分母:血液製剤の使用単位数+血液製剤の廃棄単位数