2022年度(令和4年度)伊奈病院 病院指標
DPC対象病院が、厚労省で決められた同じ条件で算出している「指標」です。
年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | - | 64 | 40 | 49 | 87 | 163 | 234 | 523 | 509 | 150 |
令和4年度に一般(急性期)病棟を退院した患者さまが対象となっています。入院時年齢を10歳刻みで表示しており、上限を90歳以上としています。
様々な年齢層の患者さまが入院されていますが、70代523名(28.8%)・80代509名(28.0%)が多く、合わせて1032名(56.7%)となっています。
- 10症例未満は(-)で表示しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む) 人工関節置換術等 | 111 | 27.46 | 22.44 | 0.00 | 75.15 | |
160800xx01xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 人工関節置換術等 | 95 | 39.34 | 26.42 | 9.47 | 81.39 | |
07040xxx01xxxx | 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む) 人工関節置換術等 | 59 | 23.10 | 20.14 | 0.00 | 73.42 | |
070343xx97x0xx | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む) 腰部骨盤、不安定椎 その他手術あり 処置2なし | 51 | 11.29 | 15.60 | 0.00 | 73.39 | |
160690xx99xxxx | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む) 手術なし | 50 | 29.92 | 20.09 | 2.00 | 82.50 |
当院の整形外科の入院症例で多い疾患は、膝関節症、股関節の骨折、股関節症、腰部脊柱管狭窄症、胸椎・腰椎圧迫骨折となっています。中でも、股関節の骨折や胸椎・腰椎圧迫骨折はご高齢の方に多く、骨粗鬆症などの基礎疾患も含めた治療をおこないます。また、継続的なリハビリテーションの必要がある方などは、回復期リハビリテーション病院へ転院され、治療を継続する方もいらっしゃいます。
- 小数点第3位を四捨五入しています。
内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術等 | 77 | 2.12 | 2.64 | 0.00 | 65.78 | |
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし | 46 | 41.24 | 21.11 | 4.35 | 85.07 | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 手術なし | 30 | 23.60 | 13.61 | 6.67 | 79.43 | |
050130xx9900x0 | 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし等 転院以外 | 19 | 26.42 | 17.54 | 10.53 | 86.37 | |
060380xxxxx0xx | ウイルス性腸炎 処置2なし | 19 | 6.68 | 5.70 | 0.00 | 41.42 |
当院の内科では内視鏡を用いた大腸ポリープ粘膜切除術を受ける患者さまが多く、標準治療計画(クリニカルパス)を基に、通常1泊2日の入院治療をおこなっています。入院中の治療の流れがご覧いただけますので、詳細は患者用パスをご確認ください。次に症例が多い誤嚥性肺炎については、物を飲み込む働き(嚥下機能)の低下等により繰り返し発症する恐れがあるため、抗生剤投与などで炎症を抑えながら口腔ケアや嚥下訓練、食形態の工夫なども並行して進めます。患者さまが退院したあとも、再発のリスクを少しでも低減できるようご家族や介護福祉スタッフなどの患者サポーターと医療スタッフの情報連携を密に、退院調整をおこないます。なお、転院率には、急性期治療を終えたあと継続的なケアを必要とする療養病院への転院のケースも含まれます。
- 小数点第3位を四捨五入しています。
外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア 15歳以上 鼠径ヘルニア手術等 | 58 | 6.50 | 4.59 | 0.00 | 70.14 | PDF |
060150xx03xxxx | 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わない等 | 24 | 5.75 | 5.32 | 0.00 | 35.75 | |
060241xx97xxxx | 痔核 手術あり | 15 | 6.60 | 5.46 | 0.00 | 69.73 | |
060210xx99000x | ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし | 14 | 9.50 | 9.00 | 0.00 | 75.14 | |
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術等 | 14 | 2.07 | 2.64 | 0.00 | 69.29 |
当院の外科に多い疾患症例では、転院率が少ない特徴があります。疾患や手術による標準治療計画(クリニカルパス)を多く運用しているため、事前に治療の目的や目標が医療スタッフと共有でき、入院前から退院時期の目安までイメージすることができます。鼠径ヘルニア・虫垂炎は、身体に負担の少ない腹腔鏡下手術を積極的に行い、出来る限り患者さまの苦痛の少ない、体に優しい医療を目指しています。
- 小数点第3位を四捨五入しています。
眼科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 | 22 | 2.00 | 2.63 | 0.00 | 77.64 | |
- | - | - | - | - | - | - | |
- | - | - | - | - | - | - | |
- | - | - | - | - | - | - | |
- | - | - | - | - | - | - |
当院の眼科では白内障手術の患者さまがいらっしゃいます。白内障のごく初期は点眼薬で進行を遅らせることができる場合もありますが、治癒させることはできません。進行した白内障に対しては、濁った水晶体を手術で取り除き、眼内レンズを埋め込む方法が一般的に行われます。手術は局所麻酔で行われ、痛みはほとんどありません。手術は白内障が進行してほとんど見えなくなってからも出来ますが、合併症の発生が高くなるため、ある程度視力が低下した時点で手術をすることが多くなっています。標準治療計画(クリニカルパス)を元に1泊2日の入院で治療を進めます。入院の流れ詳細は、患者用パスをご確認ください。
- 小数点第3位を四捨五入しています
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初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | - | - | - | - | - | 1 | 8 | |
大腸癌 | - | - | - | - | 18 | 1 | 8 | |
乳癌 | - | - | - | - | - | 1 | 8,7 | |
肺癌 | - | - | 1 | 8 | ||||
肝癌 | - | 1 | 8 |
- UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
初発:自施設において、当該腫瘍の診断、診断と初回治療、あるいは初回治療を実施した場合
再発:自施設・他施設を問わずに初回治療が完了した後、自施設にて患者さまを診療した場合、また治療がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合
5大癌とは、胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんを指します。病期とは、癌の進行程度、拡がりを示すもので、T: 原発巣の拡がり、N: 所属リンパ節転移の有無と拡がり、M: 遠隔転移の有無で分類されます。これをもとに各stageに分かれます。stage1(初期)からstage4(末期)の4段階で表しています。当院では再発の区分において大腸がんで入院となる事例が多くありました。
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成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | - | - | - |
中等症 | 18 | 22.56 | 79.06 |
重症 | - | - | - |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
市中肺炎とは、日常生活でおこる肺炎であり、入院中や介護施設入所中に感染したものや誤嚥性肺炎は除きます。令和4年度においては、中等症の患者さまが最も多い結果となりました。重症度の分類はA-DROPスコアを用いており、年齢・性別・採血の結果・SOP2(酸素飽和度)・意識障害の有無・血圧で判定されます。肺炎の治療は主に呼吸管理や点滴などを行いますが、患者さまの年齢により重症化しやすい傾向や入院期間が延長しやすい傾向があるため、状態によっては理学療法士の運動療法や言語聴覚士の嚥下訓練(飲み込みの訓練)をおこなうことがあります。
- 10症例未満は(-)で表示しています。
- 小数点第3位を四捨五入しています。
脳梗塞の患者数等
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 30 | 40.00 | 77.20 | 13.51 |
その他 | - | - | - | - |
脳梗塞の治療は、血液を固まらせないお薬を点滴に混ぜて入院日より7日間ほど投薬します。点滴終了後は継続して血液をサラサラにする薬を内服します。リハビリテーションが必要な場合は、入院数日後より開始します。日常生活動作向上と社会復帰を図るためには、十分なリスク管理のもとに、できるだけ早くリハビリテーションを開始することが推奨されています。また、中長期に渡りリハビリテーションが必要な場合は、リハビリテーション治療を専門とする回復期リハビリテーション病院への転院も検討しているため、転院率が高めとなっています。
- 10症例未満は(-)で表示しています。
- 小数点第3位を四捨五入しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0821 | 人工関節置換術(膝)・(股) | 170 | 1.63 | 23.72 | 0.00 | 74.54 | PDF |
K1425 | 椎弓切除術 | 66 | 2.27 | 11.03 | 0.00 | 74.71 | |
K0461 | 骨折観血的手術(大腿)・(上腕) | 64 | 3.30 | 35.56 | 6.25 | 75.66 | |
K0462 | 骨折観血的手術(前腕)・(下腿) | 53 | 2.26 | 16.04 | 0.00 | 64.49 | |
K0811 | 人工骨頭挿入術(股) | 47 | 4.09 | 28.26 | 10.64 | 82.30 |
整形外科で最も患者数が多い手術は、変形性関節症などに対して実施する人工関節置換術でした。この区分(K0821)には、膝関節と股関節の手術が含まれ、それぞれの件数は膝関節113件・股関節57件という内訳です。本術式は予定された手術入院が多く、平均術前日数が短めになっています。次に多いのは脊柱管狭窄症に対して実施される椎弓切除術でした。3番目・4番目に多いのが骨折手術で、K0461の区分には大腿・上腕が含まれます。内訳は大腿53件、上腕16件でした。K0462の区分には、前腕・下腿が含まれ、内訳は前腕35件、下腿18件でした。3番目から5番目に多い手術は骨折に対する手術のため、緊急入院となるケースが多く、人工関節置換術と比較すると平均術前日数が長くなっています。K0461やK0811などの大腿骨骨折症例では、継続的なリハビリテーションが必要な患者さまは回復期リハビリテーション病院への転院も検討します。また、折れにくい骨をつくるため、食事や投薬、運動指導など骨粗鬆症の治療を並行しておこなうなど積極的に取り組んでいます。
- 10症例未満は(-)で表示しています。
- 小数点第3位を四捨五入しています。
外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 55 | 1.36 | 4.09 | 0.00 | 69.44 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) | 24 | 0.71 | 4.04 | 0.00 | 35.75 | |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 18 | 2.22 | 5.22 | 0.00 | 59.22 | |
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 15 | 2.93 | 1.27 | 0.00 | 70.13 | |
K7193 | 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) | 13 | 4.08 | 17.62 | 0.00 | 76.54 |
外科での上位3術式はいずれも腹腔鏡を用いた手術です。腹腔鏡下手術は開腹手術よりも体への負担が少ないため、手術後の痛みが少なく、日常生活への復帰が早いのが特徴です。2番目の腹腔鏡下虫垂切除術は、腹痛などで受診の結果、虫垂炎を発症していて急遽手術を実施するケースもあるため、他の術式に比べて平均術前日数が短くなっています。
- 10症例未満は(-)で表示しています。
- 小数点第3位を四捨五入しています。
内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 等 | 77 | 0.05 | 1.05 | 0.00 | 66.36 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | - | - | - | - | - | |
K6535 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(その他) | - | - | - | - | - | |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) | - | - | - | - | - | |
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) | - | - | - | - | - |
内科で最も多い手術は大腸カメラを用いておこなう内視鏡的大腸ポリープ粘膜切除術です。より安全面を重視した治療をおこなうため、入院期間は通常1泊2日となっています。働き世代の患者さまも多く、他の手術に比べると平均年齢は66.36歳と、やや低い傾向です。癌が疑われるポリープや大きいポリープを切除する際は、数日間の入院が必要となります。便潜血検査での陽性、血便、排便異常(便秘、下痢)、腹痛のある方は、大腸カメラ検査を受けられることをお勧めします。なお、厚労省で定められた集計方法のため、胃瘻造設術を内科に掲載しておりますが、執刀は外科医となります。
- 10症例未満は(-)で表示しています。
- 小数点第3位を四捨五入しています。
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 等 | 22 | 0.00 | 1.00 | 0.00 | 77.64 | |
- | - | - | - | - | - | - | |
- | - | - | - | - | - | - | |
- | - | - | - | - | - | - | |
- | - | - | - | - | - | - |
眼科では白内障に対して、水晶体再建術(眼内レンズを挿入)をおこなっています。標準治療計画(クリニカルパス)は、入院日に手術実施し、翌日に診察後退院するスケジュールになっています。一度の入院で両目に手術はおこなわず、2回の入院に分けて実施します。
- 10症例未満は(-)で表示しています。
- 小数点第3位を四捨五入しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - |
入院契機(入院のきっかけとなった)病名と、主に治療の対象となった病名が同一かどうかで示した指標ですが、当院では該当する症例が少数のため、(-)と表記しています。
播種性血管内凝固症候群:重症基礎疾患のため、血管内に血栓(血の塊)が散らばってしまう病態
敗血症:感染症により生命を脅かす臓器障害が引き起こされる状態
真菌感染症:真菌(カビ)に起因する感染症
手術・処置等の合併症:手術創の感染や人工関節の脱臼・ゆるみなど
- 10症例未満は(-)で表示しています。
更新履歴
- 2023/09/22
- 令和4年度版 公開